UIとは
まずUIから説明します。「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の頭文字2つからUIと呼びます。
Interfaceは「接点」という意味になり、WEBサイトに限定して説明すれば、ユーザー(WEBサイトに訪問する方)が、皆様の企業の情報に触れるための「接点」。つまり「デザイン」そのものと言った意味合いになります。
よく「UIを良くしよう」といった風に使いますが、この場合、「ユーザーが欲しい情報を簡単に、分かりやすくアクセスできるように、デザインをしましょう」といった意味合いになります。
なのでよく言われることとして、「アーティスティックなデザインに拘りすぎて、そのWEBサイトをどのように操作してよいか分からない…」のは企業サイトの場合、望ましくないとされるわけです。
UXとは
では続いてUXを説明します。こちらは「User Experience(ユーザー エクスペリエンス)」の頭文字2つからUXと呼びます。
Experienceは「経験」「体験」という意味になり、同じくWEBサイトに限定して説明すると、ユーザーが皆様の企業のWEBサイトでどんな素晴らしい経験、体験ができるか。
と言った意味合いで使われます。
UIと似ているのですが、UIはあくまで「使いやすさ」「分かりやすさ」で、UXはUIを含めて、そのWEBサイトでどんな経験、体験が得られるか?といった意味合いです。
UIが優れていることは重要なのですが、UXは必ずしもUIが秀逸でなくても引き上げることが出来ると考えます。
WEBサイトご担当者様が意識したいUXとは
ここまでお話を進めてきて「なんとなくイメージは出来たけど、それってWEBサイトを作る側の視点じゃない?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしUI、UXは事業会社のご担当者様も押さえておくべきものだと考えます。なぜか?
皆様の自社サイトを見るのは、皆様のお客様になっていただける可能性のある方ですよね?その方に、どんな体験をして頂くか、そこまで考えておられるご担当者様はどれほどいらっしゃるでしょうか?
よくリニューアル提案の現場では、皆様、つまりWEBサイトを提案するサイドから見た「お客様」から、判を押したような次の言葉を頂くことが多いです。
- リード(見込み客)を増やしたい
- 受注を増やしたい
- 求職者から申し込みを増やしたい
これらは「小手先のUIが優れたデザイン」で実現するでしょうか?
有名なスターバックスコーヒーの戦略
スターバックスコーヒー(以降、スタバ)の有名な戦略があります。それは「コーヒーを売るのではなく、体験を売る」という言葉。
皆様はスタバはお好きでしょうか?私はブラックコーヒーしか飲めず(牛乳が苦手で…)、ラテやフラペチーノがあまり得意でないのでスタバにはあまり行かないのですが(笑)、お好きな方は理解頂けると思いますが、「空間・居心地」や「スタバで買った」という特別感なども一緒に「購入」されているはずです。
価格だけなら、もっと安い競合店は沢山ありますし、今時どこのチェーン系カフェは電源も用意されて、ビジネスパーソンが仕事をしている…なんて光景は当たりまえですよね。
つまりスタバでなくても、同じような体験はできるはずですが、それを超越した体験ができるからこそ、多くの人が割高でもスタバを選んでいるわけです。
WEBサイトでどのような体験を与えるか
WEBサイトに話を戻しますが、スタバと同じような体験を「皆様の自社サイトでも提供できていますか?」と質問されればいかがでしょうか?
分かりやすいUIや、優れた商品。それだけで物が売れる時代ではありませんよね。
「コンテンツマーケティングの本質はファン作り」の「なぜファン作りが大切なのか」でも触れさせて頂きましたが、現在は「その会社でないと提供できないサービス」というのはほぼ存在していません。
弊社ネクストソリューションズを例に取りますが、自社サイトのリニューアルを考えた場合、仮にネクストソリューションズしかWEBサイトを制作することが出来なければ、仮にどれだけ高額であっても弊社への引き合いは増える一方でしょう。
しかし実情はそうではありませんよね。何故ならばWEBサイトを作れる会社、個人の方なんて世の中に無数に存在しているから、皆様はどの会社を選べばよいか悩んでしまうわけです。
これは皆様のビジネスでも同様です。私も過去に、「税理士事務所向け商社」「求人媒体運営会社」などWEB業界以外でも仕事をしていますが、この業界もたくさん競合が存在しています。
求人媒体なんて分かりやすいですよね?レッドオーシャンと呼ばれる「競合だらけ」の状況です。
まさにスタバと同じように、「競合は多いけど、この会社(WEBサイト)を選びたい」と思わせる体験を提供することが大切です。WEBサイトで行うのであれば、次のようなことが考えられます。
- 圧倒的に魅力的なグラフィックデザイン
- AIなど最先端のテクノロジーが搭載されたサイト
- ユーザーが満足、楽しめるコンテンツが豊富
「リソースがない」は言い訳
先に3つを挙げましたが、「圧倒的に魅力的なグラフィックデザイン」、「AIなど最先端のテクノロジーが搭載されたサイト」は全ての会社が取り組むことは難しいと思います。
魅力的なデザインは見る人の主観に左右されますし、また次の「最先端のテクノロジーを搭載」と同じなのですが、根本的に費用が高額になっていきます。
であれば、どこの企業も取り組めるのは、3つ目の「ユーザーが満足、楽しめるコンテンツが豊富」だと思います。
具体的には今、皆様が読んで頂いている「コラム」や「ウェビナー」、「ホワイトペーパー」等が挙げられると思います。これらはオールアウトソーシングは可能です。ですが、ユーザーが求めているのは見た目が整った、大量生産されたコンテンツでは本来ないはずです。
皆様の自社サイトでないと得られないコンテンツを、求めているはずではないでしょうか?
「上手か下手か」ではないと思います。スタバが良い例だと思います。正直、スタバより居心地のよいカフェなら、カフェ好きな方ならいくらでも知っていることでしょう。
だけどスタバが選ばれるのは何故か?それは「来店されたお客様へのおもてなし心」が秀逸だということですよね。
この「おもてなし」にかける時間が取れない、と言ってしまえば、私は元も子もないと感じます。つまり「リソースがない」は言っちゃいけないセリフなはずです。
「魅力的なデザイン」も「最先端のテクノロジー」も「お金」で解決できるものです。つまりいくらでも模倣されるものです。ですが、スタバと同じ「体験を売る」は模倣が難しいのではないでしょうか?現に、スタバファンの方であれば、実際に「競合にはない体験」を感じているからですよね?
皆様の自社サイトで、スタバのように「競合にはない体験」を与えてみませんか?