2023.09.27

マーケティング

WEBサイト診断~ヒューリスティック分析~

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WEBサイトのリニューアルなどを検討されている場合、様々な「診断サービス」に目がいくかもしれません。
その中で「ヒューリスティック分析」というものがあるので、今回はヒューリスティック分析とはなんぞや?
という点に絞って解説したいと思います。

目次

ヒューリスティック分析とは

制作などにも精通したプロフェッショナルな分析者が、これまでの経験値などに基づいてWEBサイトなどの分析、改善案を提案することを指します。
この後に解説していきますが、WEBサイト診断表などは、そもそも「大元」が存在しており、どこの会社に依頼したところで大差のない診断結果が返ってきます。
もう少し踏み込んで言えば、WEBサイト制作業界も成熟してきており、大きく技術的には各社違いはありません。

ということは、最初から出てくる答えは予想できるものと言えます。ヒューリスティック分析の場合、そういったことも加味しながら実践的な分析、課題解決法を出しいていくスタイルで自社にあったオリジナリティある分析結果、改善提案が期待できる一方、やはり個人に依存するもの、主観的に分析を進めるため一方にバイアスがかかる危険性もあります。
そのため、複数名によるヒューリスティック分析が望ましいとされています。

診断項目は大体各社同じ

直前にも触れましたが、WEBサイトの診断表の落とし穴をお伝えします。だいたい何項目もあるチェックボックスに沿ったものですよね。

その中でも「ユーザビリティ診断」「アクセシビリティ診断」などは大抵どこの会社も同じものです。
例えば以下のようなものが挙げられます。

  • キーボードで操作が可能か
  • フォントサイズは変更可能か
  • 音声ブラウザに対応しているか
  • 色盲・色弱ユーザに配慮しているか
  • 隠しリンクなどはないか

これらにマーケティング的な側面のある「ファーストビューにCTAがあるか」なども含まれることが多いと思います。

これらはそもそもJIS規格、W3Cがベースを定めており、各WEB制作会社・広告代理連・コンサル会社がオリジナルで作っているものではありません。
ですから各社表現が多少異なっても、基本同じことが記載されています。

そして私も過去に、某エネルギー会社に常駐し、WEBサイトのガイドライン保守に関わらせていただいた経験がありますが、これらのチェックは全て実は人が行っています。
ですから、誰がチェックするのかというのもとても重要になってきます。

本来ヒューリスティック分析は熟練の技

最近では実際、営業の方が表面的に見て「〇」「×」を付けるようなケースも実際存在していますが、本来ヒューリスティックで判断する場合、制作などにかなり精通した方でないと出来ません。

例えば音声ブラウザの件。

  • 半角英数と全角英数は読まれ方が異なる
  • 単語の間にスペースを開けると1文字づつ読まれる

などがあり、本格的に診断を行う場合、ソースコードが読めることは必須です。

先に例を出した2つを詳しく解説します。

まず半角英数と、全角英数。「1234」と半角で記載されている場合、「せんにひゃくさんじゅうよん」ですが、全角だと「いち、に、さん、よん」となります。
ですので、どちらで記載すると良いかというのはケースバイケースになります。「金額」であれば半角が望ましいですが、電話番号であれば本来は全角の方が望ましいということになります。

また単語の件も同様です。「東京」は「とうきょう」ですが、「東」と「京」の間にスペースが入ると「ひがし」「きょう」と意味が異なってしまう読まれ方をすることが多いです。
そのため、デザイン的にスペースが入っているものは基本好ましくないという判断になります。

またこれらはあくまで1例ですが、こういったことを理解、精通していないとaltの中に適切に情報が入っているかの判断も難しいのです。

ついでに申し上げると、alt属性を付けることがW3C的に求められていますが、中には「読む必要のない画像」もあると思います。
その場合は<alt="">とダブルクォーテーション内を空にしておくことが正解だったりもします。

WEB診断表では真の課題は見つからない

はっきり言ってしまうと、診断表では真の課題は見つかりません。
先に触れた通り、WEBサイトを表面的に舐めただけのものだからです。

そこで重要になってくるのが、今回解説させていただくヒューリスティック分析です。ヒューリスティック分析の場合、「このWEBサイトの課題を見つけてください」というオーダーでは本来課題は見つけることが出来ません。

なぜか?

それは学生時代の成績表に例えると分かりやすいと思います。

最低限、WEBサイトの目的、目標と現状の情報が必要

では成績表に例えます。

  • 国語3
  • 数学2
  • 社会3
  • 理科4
  • 英語1
  • 体育5

仮に上記のような成績だったとします。英語1はいずれにしてももっと努力が必要そうですね(汗)
ただこの成績の個人の進路目標がないと、成績表に対して評価ができません。

仮に進学校へ進みたいのであれば、抜本的に勉強時間を増やすしかないですよね。仮に理系へ進学したいのであれば数学がまず致命的です。文系であれば国語、社会もですがなにより英語力を向上させる必要があります。

しかし仮に「甲子園を狙える野球強豪校に特待生で行きたい」という目標がある場合はいかがでしょうか?
上記の成績表では情報が不十分となりませんか?体育の成績が良いので、さすがに根本的な身体能力は平均以上であることが伺えますが、一方で野球そのものの技術が成績表では分析不可能です。

少なくともアドバイスとして、「いずれにしても将来困るから、数学と英語はもう少し勉強も頑張ろう。その上で野球を頑張りなさい。国語、社会は及第点」となりませんか?

このように目標が異なると、同じデータ、情報であっても分析結果は変わります。そしてそのアドバイス方法は「先生の経験値」が物を言うことが分かって頂けると思います。

診断は結果より改善案を具体的に示すことが重要

「WEBサイト診断」等で検索されると様々なサービスが出てきますし、中には「簡単に」等の謳い文句あるサービスも少なくありません。
ただ「簡単に」診断だけを行ってどうされますか?

診断は「診断された」ことに満足しても何の意味も持ちません。成績表の例えの通り、点数が良いからOKというものではありません。
繰り返しますが、体育が1。他はオール5だった生徒さんが、「甲子園に出場できる野球強豪校に特待生で行く」という希望があった場合、一転してこの成績だと厳しいとなりませんか?

だからこそ大切なのは「成績表ではなく、具体的にどんな勉強や練習を行えばよいかの具体的なアドバイス」が頂けるか否かが重要。
高額な診断表をもらったところで、そこに記載されている改善案が、どこにでもあるようなありふれたものだったら、そんな診断はほぼ意味をなさないと思います。

例えば「国語が苦手なら新聞を読もう」等です。皆様も学生時代、イヤほどこの言葉聞いてこられたと思いますが、これで得意になった方、本当にいますか?
私だったら、「その記事が結局何を言いたいのかを、読んでいない方に絵で説明できるようにする」というアドバイスをします。ただ読んでいても読解力が身につくとは限らないので。

経験値が豊富なコンサルタントに相談

結局この記事のメインテーマ「ヒューリスティック分析」ですが、本来誰でもできるものではありません。
例えば40代で様々な経験をしてきた社会人の方が転職する際、正直新卒1年目の人材紹介会社のアドバイザーから、斬新かつ具体的なアドバイスが貰えるでしょうか?

経験を積んできているからこそ、根拠もなく「出来ます」など無責任に夢を見させるような発言だけではなく、時には「その目標はムリ。代わりにこちらを目指しましょう。その場合、〇〇は十分足りているけれど、▲▲が足りないのでここを強化しましょう」と言った現実的、具体的アドバイスができるのがヒューリスティック分析、課題解決案の提案だと思います。

色々診断など受けてきたけれど、イマイチしっくりとこない方。診断に関心がある方、セカンドオピニオン代わりに他の意見も聞いてみたい方など、弊社の熟練のコンサルに一度相談してみませんか?
下記お問い合わせフォームで、「コラムを読んでWEBサイトについて相談したい」とご記入いただき、お気軽にお問い合わせくださいませ。

著者・編集者情報

ネクストソリューションズ (WEB編集部)

単なるWEB制作会社にとどまらず、企業のDXにつながる支援を行うネクストソリューションズWEBサイト編集部です。

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