景品表示法に注意
実態として「ナンバー1表記」が営業上、優位にたてるものであるため、不正も事実として存在することから「景品表示法」によって、そのルールがしっかりと整備されています。
- 客観的な調査
- 調査結果の正確かつ適正な引用
この2点が公正取引委員会事務総局の出している「No.1表示に関する実態調査報告書」でも明確に記されています。
「客観的な調査」は必ずしも外部団体である必要はなく、自社調査でも構わないのですが、なんでも良いというわけではなく、以下の2点が定義されています。
- 当該調査が関連する学術界又は産業界において一般的に認められた方法、又は関連分野の専門家多数が認める方法によって実施されていること
- 社会通念上及び経験則上妥当と認められる方法で実施されていることが必要
「自社に有利になるようなアンケートの対象者や、質問項目」は明確にNGとされているので、「なんでもかんでもナンバー1と言えばまかり通る」というものではないので、ここは注意するようにしましょう。
なぜ同時期に同じジャンルのサービスが複数ナンバー1になるのか
ルールに乗っ取った「ナンバー1表記」でも、現実的には複数社が、同じようなサービスでナンバー1を謳うことがあります。
これは「どの条件下」で「ナンバー1」なのかが、かなり細分化されているため、このような現象が実態としておきます。
私は今市民ランナーをやっていますので、マラソンに例えてみます。
普通マラソン1位と言えば、その大会で「優勝」したと思いますよね?しかし、実際の大会でも世代別、性別ごとに順位がまとめられることも多く、「〇〇歳代の男性(女性)の中で1位」というジャンルが出てきます。
これがさらに細分化されていくと、「いろんな1位」が同一大会に出てくるわけですが、ビジネスにおける「ナンバー1表記」もこれに近しい感覚です。
No.1表示の対象となる商品等の範囲を明りょうに表示することが望ましい。とあるのですが、実態は小さい文字で「この条件下です」とは記載されていますが、現実的には「業界で自社がナンバー1」であるようなバナーなどの表記が多いため、「同時期に同じジャンルのサービスが複数ナンバー1」であるように見えてしまっているのが実態です。
ユーザとしての根本的な対処法
ユーザとしての根本的な対処法としては、「ナンバー1」に振り回されないことです。
これはグルメサイトの「スコア」にも言えることですが、「他人の評価でなく自分の感覚を大事にする」ことに尽きると思います。
例えばBtoC商材で、サプリなどの場合、人の体質は人それぞれなわけですから、ナンバー1であっても自分には合わない。あるいは、業界ではマニアックなものであったとしても、自分には最高であれば、その感覚を信じる方が望ましいと思います。
BtoB商材も同様ですよね。例えばWEB関連でも「CMS」「ECパッケージ」「MA/SFA/CRM」「メルマガツール」など様々なツールがありますが、「競合他社が使っているからと言って、自社に合う」保証はありません。ITツールに対する習熟度も各社で全く異なりますし、そもそも「道具」なので各社「慣れたもの」を使う方が効率が良いに決まっています。
あくまで主語を自社にして「ヨソが使っているからウチも」ではなく、自社。そして実際にそのツールを操作する現場の方が使いやすいか否か、この目線で選ぶのが鉄則です。
ナンバー1を表記したい企業側の注意点
ナンバー1は現実的に有効な「謳い文句」であることは事実です。
だからこそ消費者の立場にたって、公平な調査の元で計測されたデータであるか否かが重要です。
安易に「1位が欲しかった」と、公平性に欠く、あるいは実質的にはなんの調査も行わず「他もやっているから」でナンバー1表記を使うことは違法行為になってしまうのでやめましょう。