簡単にWEBの歴史をおさらい
WEB3というからには「2」や「1」はなんだったのか?疑問に思われませんか?ということで簡単にWEBの歴史をおさらいしたいと思います。
世界で初めて「WEBページ」が出来たのが1991年とされています。
その際のページが記念に今もそのまま残されていますが、そちらはリンク先からご覧ください。(世界初のWEBページはこちら)
日本でも翌年には公開されたとされますが、まだまだこの当時は一般的なものではありませんでした。
大きな契機になったのは1995年の阪神淡路大震災。私は当時大学生でしたが、WEBサイトで授業が再開されるのかを調べる時代でなく、大学に毎朝行って、掲示板を見て休講などを知った時代です。
この災害を機に、日本でもWEB、インターネットが広く認知されるようになっていきます。このあたりで誕生した「初期のWEBサイト」を「WEB1.0」または「WEB1」などと定義されますが、実はこの呼び方が誕生するのは、この少し後。
2006年に梅田望夫氏が「ウェブ進化論」というベストセラー本を出しますが、この頃「WEB2.0」という一大ブームが起き、そこで以前のWEBを「1.0」、当時の「今」を「2.0」そして、「3.0」とはなんぞや?等と言った議論が毎夜、仕事終わりの居酒屋でWEB業界人が集まり議論を繰り広げた。そのような歴史があります。
WEB2.0とは?
では大きなきっかけの1つになった「WEB2.0」について簡単に解説します。世代の方は懐かしいと思って頂けると思いますが、一時期どのような業種も「2.0」を使い、世間の注目を集めていました。
余談になりますがNTTドコモが「DoCoMo2.0」というキャッチコピーでマーケティング戦略を打ち、様々な挑発的なCMのキャッチフレーズが物議を醸したなんてこともありました。
当時「新しいものの象徴」として「2.0」を付けることが流行った時代でした。
では何が、WEBに於いて新しかったのか。それは「1.0」と急に定義された「過去のWEBサイト」は発信者が一方的にメッセージを出すものでした。ところが「2.0」によって「WEBサイトのユーザも参加できる」ものになっていきました。
具体的には口コミレビューであったり、ブログ、SNSなど、ユーザ自身が情報を発信できるようになっていった。これが当時は画期的で流れとしては、これらを構築するためのツールとして、今では当然のように使われている「CMS」なども浸透していくことになります。
ではWEB3.0とは何?
20代や30代前半のWEBエンジニアの方にとっては、2006年頃のエンジニア達の会話をリアルタイムで聞いておられたわけではないため「WEB3とは最近の考え」と思われる方もいるかもしれませんが、実はWEB2.0に沸いていた当時から「WEB3.0」の未来像も併せて語ることが常でした。
ですので私からすると「あー、歴史が一周してWEB3.0をウェブスリーって言い方変えて、また議論してんだなぁ」というぐらいの感覚。
今、「ウェブスリーとはメタバース(仮想空間)である」という現実的な結論付けが出来ているように思えますが、当時もその先駆けとも言われる「セカンドライフ(Second Life)」にWEB3.0の姿を夢見ていました。
結論として、概念なので「絶対にコレ」といったものはありませんが、今も昔も「ウェブスリーは仮想空間である(そうしたい)」というWEB業界人側の強い想いがあるように感じています。
メタバースの活用事例と課題
特にこの数年、コロナの中で社会活動が制限され、ビジネスの場が「リアルからオンライン」にシフトしていきました。
その中で「バーチャル空間での展示会」など様々な事例が登場しています。
しかし一方で「メタバースという言葉は聞くけれど、実際は触れたことがない」という方も少なくないと思います。
現時点…いや当時から、メタバースが浸透しない理由として次のことが挙げられると思います。
- 操作性
- ネット回線
- デバイスの容量
特に回線と、あとPCやスマホも容量が重くなってくると動作速度が落ちますからね…これに対するユーザのストレスを解消できるインフラ整備が追い付いていないことが最大の理由ではないでしょうか。
メタバースの未来
個人的見解になりますが、メタバースには期待しています。理由として既存のWEBに次の課題があると感じています。
- 好みの情報しか入ってこない
- 発信力のあるユーザの情報が正しいか否か判断できない
「好みの情報」については例えば、音楽です。
私の学生時代は「CD屋」に行って、欲しいアルバムなどを買いましたが、実際店頭で見るので「最初知らないバンドだったけど、視聴できたから聴くと好みだったので買った」といった体験。
WEBだと「あなた好みにカスタマイズされた情報」を出してくれるので、一見快適なのですが、これだと「未知なるものとの遭遇」が生まれないんですよね。といってもリアル店舗も少なくなってきた今、仮想空間で音楽や書籍などを好きなだけ試し読みしたり、視聴したりできると「新しい出会い」が起こりそうでワクワクします。
「発信力のあるユーザの情報」も、今のSNSだとインフルエンサーの意見がさもオフィシャルのように取り上げられますが、それが正しいものか、仲間内で議論する…そのようなシーンはまだまだ実装できていないですよね。
これが仮想空間の世界で、もっと気軽にできるようになるのであれば…仮想オフィス空間も浸透しているような、そうでないような…状況ですが、ただWEB2.0に併せて議論していた3.0が、20年の時を経て、再び脚光を浴び、今度こそ成功させようという大きなウネリはあるので、私自身、期待をしながら様子を見守りたいなと思っています。