プラットフォームを介して業務を行う働き方
ギグワークで代表的なものとしてUber Eats(ウーバーイーツ)が挙げられますが、Uber Eatsはアプリを介して業務を各個人が請けるか請けないかを判断し、働いた分の報酬を、プラットフォームであるUber Eatsから支払われるというものです。
Uber Eatsの配達員は、Uber Eatsと雇用契約を結んでいるわけではなく、またUber Eatsに依頼を出している飲食店とも雇用契約を結んでいるわけではなく、いわゆる個人事業主という扱いになります。これはどのプラットフォームを活用しても全く同じです。
フリーランスと何が違うの?
企業と直接の雇用関係がないということであれば、フリーランスという働き方は随分と日本社会にも定着したかと思います。
ギグワークと、フリーランスの一番の違いはギグワークは単発の業務、そして技術的にも簡単なものが多いという特徴があります。
まさに先のUber Eatsはギグワークの代表格で、業務そのものには専門性がないため誰でも簡単に取り組めますし、飲食店に依頼のあった利用者へ「料理を届ける」だけの業務。
アルバイトだと「拘束時間」が発生しますが、ギグワークには発生しません。まさに「単発」の業務です。
他にも最近、コンビニや駅などによく設置されている、モバイルバッテリー「ChargeSPOT」を補充するギグワークサービスも存在しています。
一方フリーランスはコンサルタントや、デザイナー、ライター、カメラマンなど専門職で、「単発」といっても例えば撮影の仕事で、1枚だけ写真撮って終わりという仕事はほぼ皆無。
通常は最低1日程度ロケに行ったり、また撮影した後、その「納品物」をクライアントであるお客様に納品して「検収」されるまでが「業務期間」。
ギグワークよりはややハードルの高い仕事と言えます。
どんな方に向いているか
私はギグワークを中心にする求人媒体運営会社にいたこともあって、実際にその会社に登録されているギグワーカー(ギグワークを行う人のこと)の方何名かにインタビューを行ったことがあります。
副業で利用されている方、あと「家族との時間を大切にしたい」という主婦の方も多く、相性が良いのだなという印象を受けています。
私も実は過去に、デザインスクールと業務委託契約で講師の仕事をしていた時期があるのですが、同じ「フリー」でも実際授業を持つと、そこのスクールは3か月ワンクールで「卒業」していくシステムでした。
私に余程のことがない限り(実際、一度だけ大けがして1か月穴をあけたことがあります)、通常は社員と変わらずスクールに「出勤」して、授業(業務)が終われば「退勤」と、時間的な拘束時間が発生しましたが、ギグワークだと「目の前の仕事」だけに対応すればよいので「スキマ時間を有効活用したい」という方にピッタリとニーズが合うと思います。
ギグワークで働く上での注意点
まず確定申告が必要です。ギグワークはどこの会社とも雇用契約を結んでいないため「年末調整」が無く、自分で税務署に行って行う必要があります。
副業といった立ち位置であれば、年間20万円の所得があれば必要。個人事業主(開業届を出した人)であれば年間48万円の「事業所得(経費などを引いたもの、つまり粗利)」があれば申告が必要です。(→参考サイト「弥生:コラムより」)
これ、会社員の方で実は副業を少し行っているという方、実は少なくないと思います。
「自分もやった方が良いのかな…」と不安になる方は、税務署で無料相談を行っていたりするので、まずは最寄りの税務署に問い合わせてみられることをオススメします。
私も、某税務署で税理士の方に色々教わって、講師時代は対応していました。
あと直接雇用契約ではないため、例えばUber Eatsにしても次の時代の波に飲まれ、無くなってしまっても誰も保証はしてくれないため、「リスクヘッジ」を常に考えておく方が安定収入に繋がると思います。
企業の方が注意すること
たまに「ギグワーカー」として採用して、自社に合うのであれば正社員に登用しようといった文脈を見かけますが、これ倫理的に良くないと思います。
「お試し採用」等とも言われますが、「お試し採用」にはきちんとしたルールがありますし、「業務委託契約なんだから、合わなければ簡単に解雇してしまえる」と言った誤った解釈が広がると、結果制度の規制に繋がってしまうことは明白だと思います。
ギグワークという働き方は正しく理解し、正しく使えばこれからの社会にとっても有益なものだと思います。
是非採用担当者の方も、ギグワークや副業の活用でミスマッチを防ぎたいというのであれば、正しく理解し、正しく活用し、それを望むギグワーカーや副業の方にとっても両者がHAPPYな結果になることをお願いしたいと思います。