CMSとはなにか
まずCMSは「Contents Management System」の、頭文字3つを略した呼び方です。
コンテンツとはいわゆるコラムや、ウェビナーといったものより、もっと制作・開発者的な視点で画像ファイルや、HTML、CSSなどといったWEBサイトを構成する様々な要素を指し、それらを言葉とおりマネジメント。つまり管理するための仕組みになります。
比較的新しい技術
CMSは比較的新しい技術で2009年頃がCMS元年と呼ばれています。
私は当時、WEBデザインなどWEBサイトを実際に作る仕事をしていましたが、当時はまだ「テーブル(Table)レイアウト」と呼ばれた作り方のWEBサイトも多く、またブラウザも「Internet Explorer」というものが主流の時代。各バージョンごとにレイアウトが崩れるなど、今の技術者の方には信じられないようなことが多く、なかなか浸透していませんでした。
それがこの頃を境に、一気に「Movable Type」「WordPress」と呼ばれる「CMS」を使ったWEBサイト制作に大きくシフトしていったことを覚えています。
何が便利なのか
当コラムは技術者向けではなく、事業会社の広報マーケや営業系、管理部門系の現場でお仕事をされている方向けに、お役に立つ情報を発信しております。
ですので技術寄りの話はあまり深く触れないでおきますが、とにかくCMSを使うことによって、WEBサイト制作は制作工数というものを大きく下げることができました。
100ページのWEBサイトを作る場合、100ページ全て手作りするしかなかったのですが、CMSを使うことでイメージ的には半減させることが出来るからです。
もちろんそれによって求められる技術も変化していくので、最終的には増えたというケースも勿論ありますが。
HTMLを知らなくてもWEBサイトの更新が可能
それ以前にも「ホームページビルダー」というソフトが一世を風靡した時代もあり、HTMLを知らなくてもWEBサイト制作を行うことはできました。
当時のホームページビルダーはPCにソフトをインストールするもの。CMSは基本インターネットサービスに近しいもの(サーバにインストールし、ブラウザから操作が可能)なので、インターネットさえつながれば、どこにいてもWEBサイトの更新が可能になりました。
操作も慣れてさえしまえば、簡単にブログなどを投稿することが可能になりました。
なぜ今、CMSありきの提案が多いのか
このコラムを読んで頂いている現場のご担当者様は「なぜCMSありきの提案なのか?」と思っておられる方も普通にいらっしゃるのではないでしょうか?
シンプルに見積もりにある「CMS初期設定」などを削れば安くなるって思うのは当たり前だと思います。
WEBサイトは現場で更新できた方が絶対に良い
「ウチはホームページなんて、誰もみないから簡単なものを作って置いておけばよいよ」という方はまだ現実少なくないと思います。
ただ本当にそうでしょうか?「ミレニアル世代」と呼ばれる世代ですらもう30代の方が大半。若手と呼ぶより社会の中堅ところを占めています。
取引先や、求職者の方は当たり前のように会社のこと、サービスのことを事前にインターネットで調べます。
WEBサイトはあって当然、さらにその情報は定期的に更新されていることが当たり前の時代です。
更新を定期的に行うのであれば、制作会社に依頼をだしたり、または社内でも詳しい方に依頼ではやりにくいですよね?
私もこのコラムや、ウェビナー等の情報をCMSを使って自由に更新できるのでストレスフリーです。
シンプルな構成であれば予算も抑えられる
CMSサイトって高額なイメージはないでしょうか?
大体、複雑なCMSを求めすぎて「カスタマイズ」の費用が含まれるケースが大半です。本当に「簡単なものでよい」のであればWordPressなどを使って、テンプレートデザインに準じた方が圧倒的に制作スケジュール、費用を下げられます。
制作会社に更新依頼してもCMSの方が安全
「更新費を支払うので制作会社に更新は任せます」という企業様でもCMSが良いです。
なぜならば1,000ページのWEBサイトで、リンク先変更を行う場合、CMSがなければ1,000ページすべて手作業でリンクの貼り直しを行います。
単純にマンパワーに拠る方法なので人的ミスが起きるリスクが高くなってしまいます。CMSだとその作業工数を大幅に減少させられるので、安全ですしその費用も抑えることが可能です。
CMSの要らないWEBサイトは無いのか?
なんとなくCMSはやっぱりあったほうが良いと思っていただけたでしょうか?
ただCMSの押し売りをしたいわけではないので、「CMSが要らない」WEBサイトについてもお話します。
広告の受け皿になるランディングページ
リスティング広告などの受け皿になるランディングページ(LP)であればCMSは不要です。
なぜならば更新を頻繁に行うものではなく、更新というより広告効果を検証しながらデザインそのもから改修を行うものなので、CMSである必要性は下がります。
期間が限定される採用サイト
1年間ごとにデザインから見直しを行うレベルの採用サイトであれば、全ページのCMS化は不要だと思います。
採用ブログなどをこまめに更新されるのであれば必要ですが、例えばそれらはWantedlyで行う。その受け皿になるコーポレートサイトとは別の「若い方にウケる情報をまとめたサイトで良い」という戦略があるのであれば必須ではないと思います。
商用CMSってなに?
CMSには大きく「商用CMS」と呼ばれるタイプと「オープンソース」と呼ばれるタイプがあります。
簡単に言えば「システム会社が独自に開発した有償のCMS」です。ひらたく言えば、オープンソース型は「無料」で使えるものが大半ですが、商用CMSは「デザインしなくてもCMSそのものの利用料が発生する」ということです。
セキュリティが安心
商用CMSメーカーの営業マンであれば「オープンソースは危険です!」と営業トークをされると思います。これは事実でもありますが、オープンソースだとセキュリティリスクを下げることが出来ない。商用CMSだとゼロリスクというのは事実と異なります。
詳しくは「WordPressは本当に危険?」をご覧いただけると幸いです。
ただ商用の場合、誰が開発しているのかがはっきりしやすいですし、ソフトウェアに悪意を持ったコードを入れられるリスクは限りなく低いです。
そしてイニシャル(初期)費用だけでなく、決して安くはない「月額費」が入るタイプがほとんどだと思います。
この月額費に保守サービスが含まれるのでオープンソース型に比べて安心です。
(オープンソースでも当然それらを行うことはできますが、メーカー保証ではなく制作会社のスキルに左右されるのが実態です。)
どのメーカーが良いか
よく「CMSシェアNo.1」という文字を見かけると思います。しかし正直「あそこもここもNo.1」の状態ですよね?
これ全てウソでも不正でもありません。ただ調査会社も複数ありますし、その中でも細かいセグメントがされているため「CMSの中でもこういった条件下であれば」という細かい条件下の中での「シェアNo.1」です。
本当のCMS市場における圧倒的シェアNo.1はオープンソースのWordPressです。
「CMSシェアNo.1」よりも、実際に現場のご担当者様が「道具として一番使いやすいもの」を選ばれた方が良いですし、あと保守内容も各社それぞれなので、細かく確認をとっておいた方が良いと思います。
結論「CMSは1社に1つは必須」
結論から申しますと、CMSはオープンソースでも商用でもとにかく「1社に1つ」は必須です。
更新しないWEBサイト(ページ)は一部にはあることを先ほどご説明しましたが、それは「一部」です。
やはりコーポレートサイトや、サービスサイトと呼ばれるものは更新が前提です。
その際、自社のWEBサイトご担当者様がご自身で更新できる仕組みがあった方が、絶対にあとからストレスフリーになります。
オープンソースでも商用でも信頼できる会社を選びましょう
そして最後は自社にとって、一番ベストだと思えるパートナーを選んでください。
「WEBサイトリニューアルが失敗する理由」でも、制作会社を選ぶポイントをご紹介していますので是非ご参考にしてみてください。