そもそもコラムやブログは大切か
営業系の部門の方であれば「受注に繋がらないからどうでも良い」と判断されるかもしれません。
ですが、そうご判断された方も、ご自身で情報収集をされる時を想像してみてください。まだ導入するか否かすら判断する手前。営業見込みという表現をするなら最も低い興味関心レベルの状況だと仮定してください。
いきなりそこの会社の営業の方を呼んで、見積もり作成依頼をお願いしたり、あるいはデモンストレーションをお願いするでしょうか?
普段のお仕事内容から「そうあって欲しい」という願望があるのは理解しますが、恐らくご自身が逆の「提案を受ける側」だった場合、ほぼその行動はとらないはずです。
恐らくは「どの会社のサービスが良いか」ではなく「現状の課題解決方法」について、アウトラインの情報収集をされると思います。その時に参考にされているのが、コラムやブログ。
この同列にはウェビナーやYouTubeなども含まれるでしょう。「ざっくりとした情報収集」を必ずどこかで行っているはずです。だからこそ結論として、目先の受注に繋がらないブログ等であってもそれはとても重要なものです。
BtoB購買プロセスの57%は営業担当者に会う前に終わっている
これも有名な話ですが、アメリカの調査会社コーポレート・エグゼクティブ・ボード社が調査した結果、購買までに至るプロセスの57%が営業マンに会う前に終わっているという話です。
ちなみに購買までのプロセスとして有名なフレームワークの1つ「AIDMA(※)」などがありますが、これに当てはめるなら「欲しいかも」と思うまでは、営業マンに会う前に決まっているというもの。
これも営業の方であれば否定したくなるお気持ちは理解します。
ですがこれもご自身が購入のご担当者だったと考えてみてください。突然オフィスにかかってくる他社のテレアポ全てに応じて、テレアポを行ってきた全営業マンの話を聞いて「そんなサービスの存在すら知らなかったけど、誠意を感じたので購入するよ!」なんてことあり得るでしょうか?
インターネットが発達した現在はより顕著に、営業の方に聞く前に様々な情報収集を行うでしょう。
「価格がいくら」「スペックが…」などの比較段階に入る随分以前、興味を持っていただく時点を疎かにしてしまっては、いつまでも営業リストを購入し、片っ端からテレアポを行うだけの非効率的な営業から脱却はできなくなります。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
ローマは一日にして成らず
ローマは一日にして成らず。有名なことわざですが、WEBマーケティングも同様です。ご自身でSNSなどを運営されているご経験あれば、なんとなく「肌感」ありませんか?
続けていれば自然とフォロワーが増え、いいねも増えていきますよね?
これって数日、数週間で達成は難しいですよね。ある方の名言ですがまさに「小さなことからコツコツ」としかありません。
だからこそ、コラムやブログ、ウェビナーもYouTubeもコツコツと最初は誰の目にも止まらなくても諦めず続けていくしかありません。
コンテンツ作成の極意
ではいよいよ、コンテンツを作成する上での極意をお話したいと思います。
- セールスではなくナレッジ、ノウハウを発信
- 上手い下手よりオリジナルな情報を心掛ける
- 外部からの批判を恐れない
- 続けること
それぞれ簡単に解説していきたいと思います。
セールスではなくナレッジ、ノウハウを発信
例えばネクストソリューションズの業界でも「WEB制作会社の選び方」などセールス色の強いコラムやウェビナーが目立ちます。
しかし、実際ご自身が「提案を受ける側」だった場合と考えて、ニーズはありますか?
最初から通販番組のような構成で、「弊社以外を選ぶことは失敗のリスクは高いから、弊社を選びましょう」というオチが最初から見えているから関心がないのですよね?
それよりも欲しい情報って、例えば「NOW(2023年7月現在)」であれば話題の「ChatGPT」や少し以前であればIT分野で熱が高かった「メタバース」等の情報収集ですよね?
「見て欲しい」ことに拘ればそれは売れないバンドマンと同じです。多くの方に見て欲しいのであれば「自分が言いたい内容(セールス)」でななく、読み手が見たいナレッジやノウハウを積極的に出すことが大切です。
上手い下手よりオリジナルな情報を心掛ける
次に大切なのは、上手い下手よりもオリジナルな情報を心掛けることです。
私は以前編集プロダクションの方と一緒に仕事をさせていただいたことがありますが、その際聞いたのが食レポでも本当に食べて情報発信される方もいれば、食べたこともないのにインターネットで評判だけを「読んで」感想文を書くだけのライターさんも少なくないということ。
ですがこれは読み手になるとスグに分かりますよね。実際に体験したことを書いているのと、感想文にとどまっているのとでは、こういったコラム記事も「また同じ内容だ…」なんてことがあればシンプルにガッカリしますし、もうそこのコラムに戻ってこられることも可能性が下がってしまうと思います。
外部からの批判を恐れない
これは「言うは易く行うは難し」ですよね。
正直、今ネクストソリューションズのコラムを執筆していても気持ちはラクです。なぜならばまだまだ弊社のネームバリューは限られています。だからある意味「怖いもの知らず」で発信できます。
ですが私もネクストソリューションズに入社する以前は、とある上場企業で同じ広報マーケティングを担当していました。
YouTubeをマーケチームで運営していたのですが、それを見た方が「あれはなに?」という問い合わせが入り、社内はてんやわんや。結局中途半端な形で辞めるしかなくなりました。リスクヘッジを優先したわけです。このような経験もしているので、会社の規模などによっては、これが一番難しいことだと誰よりも理解しています。
しかし情報過多の現代、「優等生ぶった当たり障りのない情報」を好んで見ますか?もちろん常識を逸脱した炎上系などはもってのほかですし、企業系である以上信頼を損ねることは致命的です。ですが可能な限り、エッジの効いた情報で合った方が読み手の方には満足していただけるはずです。「嫌われない」ことは「好かれる」こととは限りません。なんの興味も関心もないということも往々にしてありますよね。
続けること
中には突然「バズって」一躍有名人に…なんてことが起きるのがインターネットの世界。
ですがそれはほんの一握りの話ですし、目指す必要もありません。インフルエンサーなんて氷山の一角です。別にインフルエンサーになれなくても、情報をコツコツと出し続けていれば必ずファンはつきます。
そのファン作りこそがコラムやブログなどのコンテンツを作成する最大の目的なのです。
コンテンツマーケティングとは
最後にコンテンツマーケティングについてお話します。
コンテンツマーケティングとは当コラムで紹介させていただいた、コラムやブログ、ウェビナーやYouTube他のコンテンツを発信し、企業のファンになっていただきその結果、購入につなげていくという手法。
よくオウンドメディアなどと呼ばれますが、コラムなどを別サイトで運営される手段ですね。ですがこれ自体はどうでも良いのです。
大切なのは「この会社・サービスは自分向けだな」と思っていただき、いざ購入のタイミングがくれば「競合ではなくこの会社が良い」と担当者に思っていただけるような長期的な視点にたったコミュニケーション作りです。
そのために当コラムでご紹介させていただいた下記4つを意識して継続されてみてはいかがでしょうか。
- セールスではなくナレッジ、ノウハウを発信
- 上手い下手よりオリジナルな情報を心掛ける
- 外部からの批判を恐れない
- 続けること
即効性はない施策ですが、先にも触れましたが営業担当と会うまでに購買プロセスの57%は終わっています。
自社に関心を持っていただき、自社の営業担当に費用感や、デモンストレーションを希望される方を増やすためにコツコツと続けていくことが重要です。