出会える顧客層の特徴
マーケ担当者、営業担当者。ここは私も実体験ベースでお話を進めますが、両者若干求める「リード」に異なりがあると思います。マーケの方であれば数年先も見据えた自社のファン作りといった視点もあるでしょうし、営業の方であれば、やはり目先の受注につながるか否かという視点が強いと思います。
リアル展示会、ウェビナー等を代表とするWEBマーケティング。それぞれに出会える顧客層に特徴、異なりがあるのでまず先にそちらをご紹介します。
リアル展示会の特徴
多くの主催者が年齢層や、役職、目的などの詳細データを出していただけないので私が独自に集計したデータになりますが、性別では男性が多め、企業規模も社員数で100名以上、その中でなんらかの役職(主任、課長など含め)を持つ方が多いというデータ、あと私自身も運営責任者として名刺獲得に奮闘していたので、実際に来場者の方と触れ合った経験としては年齢層は比較的高めの方が多い印象。
この後で触れるウェビナー等のWEBマーケティングでは、まず社長クラスの方が参加されることはありませんが、展示会には来られる方が多い(好きな方が多い印象ですね)。
あと2~3割は同業の方や逆営業の方も含まれています。
WEBマーケティングの特徴
WEBマーケティングも様々なものがあるので、一旦ここでは「出会える」という視点でウェビナーに限らせていただきます。ウェビナーは圧倒的に現場より(役職者も事業部長クラスまでの方が多く、社長クラスはほぼないです)。性別は内容によりけりで、総じては半々といったところです。
受注までのリードタイム
展示会は「お祭りノリ」で来場される方も少なくありませんが、基本「即売会」のような「場」ですのでやはり受注までのリードタイムで比較すると、断然リアル展示会が勝っています。
一方ウェビナーだと、営業の方がセールストークを全面に押し出されると、視聴者の立場になると分かると思いますが、やはり参加者も激減します。
展示会は「目先の売り上げ獲得」、ウェビナーは数年先の受注を見据えて「長期的なファンづくり」と置いた方がよいと思います。
費用感の比較
社長と出会えて、受注までのリードタイムが短いとなれば、営業の方であれば「マーケ、頼むから展示会やってくれ!」と思われますよね?
ではここで両者の費用感について比較していきたいと思います。
展示会の費用感
展示会そのものの規模、自社が出展するブース規模や、小間(場所)の位置によって「ピンキリ」ですが、正直なるべく多くの方と名刺交換がしたいとなれば、「そこそこの小間」と他社がハデに演出してくるので埋もれないために、「そこそこのブース」は必要だと思います。大体500万円~1,000万円程度は予算を持っておいた方が良いと思います。
内訳としては主に以下のようなものです。
- 会場の場所代
- ブース設計費
- 来場者に配布するノベルティ費
- 来場者に配布するカタログ印刷費
- コンパニオンやその他賑やかしの費用
- 会場へカタログなどを運ぶ運送費
- 当日会場で接客するスタッフの昼食費等
WEBマーケティングの費用感
まずウェビナーを開催するだけなら、自社で全て資料の準備等も行える前提でほぼ費用はかかりません。
あとは集客にWEB広告などを出すのであれば、その分の費用が必要ですが、恐らく参加者獲得とコンバージョンとすれば、1件あたりの獲得費(CPA)は1万円前後が相場だと思います。
ただ、何度も何度もウェビナーを開催するようになると、ファンもできてきますので、自然とユニークユーザ数も増えてくるので、CPA計算ではWEBマーケティングの方が割安です。
両者の比較を短期的な結果で判断しないこと
今説明させて頂いた通り、展示会とウェビナーをはじめとするWEBマーケティングは、出会える顧客層が違うので、単純にリードタイム等で比較することはナンセンスだと思います。
展示会の場合、費用が高額になっていくため例えば1,000万円規模でだす場合、営業の方も「売り上げ」だけで判断するのは避けた方が良いです。
最低限粗利で計算し、例えば粗利50%のビジネスであれば、展示会で最低2,000万円の売り上げがないとマイナスですよね?
そこから逆算してプラスにするためには目標3,000万円を目指すなどの目標設定を置いた方が良いです。
一方ウェビナーに展示会の代わりを期待するのも違和感があります。
そもそも出会える方が全く異なるので、もし予算的に両方取り組めるのであれば、展示会は目先の受注件数獲得。ウェビナーは中長期的な視点にたってのファンづくりと役割分担を行うことが望ましいと思います。
望ましいリードへのフォロー方法
これは私自身、過去の失敗体験から「こうした方が良い」とアドバイスさせていただきます。
ここまで触れた通り、展示会、ウェビナーやはりリードの「温度感」が異なるので、同じ手法でフォローすることは避けた方が望ましいです。
展示会は鮮度高い間に全員にテレアポ
展示会で取得した名刺には基本全件(その場で絶対電話しないでくれ等のコミュニケーションあれば別ですが)、電話フォローをすることが望ましいです。
その理由は以下の通りです。
- 会場でのノリは信用できない
- 来場者は何社も回っており、他社が即座に電話フォローを行うため乗り遅れる
- リアルのリードはリアルでクロージング
特に1つ目「会場のノリ」。営業マンとの相性もありますし、その場で盛り上がったか否かで今後のフォロー先を決めるのはもったいないです。
少なくとも多くの方は、何らか関心があったので「後日営業されることを理解した状態」でブースに入っていくのですから、テレアポ代行業者様などを活用してでも全件になるはやでテレアポがベターだと思います。
あと、基本リアルの方はリアルでクロージングも基本です。
統計を見ていれば、展示会から後日WEBマーケティング側に移ってくる方もいますが、比率では少ないです。
ウェビナー参加者にはテレアポよりテレマ
「ウチはテレアポでなくテレマだ!」と主張される会社様は少なくありませんが、失礼ですがほぼ多くの営業の方は「テレアポ」になっているのが事実ですよね。
ウェビナー参加者は「今すぐ営業と話したい」訳ではないですが、何らか自社に惹かれるものがあるので複数回ウェビナーに参加される方も多いです。
魚に例えれば稚魚を養殖して、大きく育てようというものです。展示会は逆に大きく育った魚を釣る場です。
ウェビナーで必要なフォローは、例えばアンケートまで回答して頂いた方に対して、今後のウェビナー情報の案内や、軽い個別相談など「ガツガツ」せずに文字通り「テレマーケティング」を心掛けるのが望ましいです。