私の営業経験
まず私がどのような営業を行っていたのかをお話します。
今も税理士事務所・公認会計士事務所向けの会計ソフトがありますが、私の居た会社も自社で開発していたソフトを組み込んだパソコンごと販売する仕事でした。
当時はまだWEBサイトも一般的になっていない2000年代初期です。
WEBマーケティングなんて概念はありませんでしたし、本社のマーケティングが行うのはFAXDMといった時代でした。
私たち営業マンは、税理士事務所の一覧を持って、社用車で朝から晩まで税理士事務所に訪問するスタイル。「飛び込み営業」でした。
先輩に教わった「お礼の手紙」
このコラムをご覧頂いている新人営業の方。日々のテレアポ本当にお疲れ様です。
コロナ以降、リモートワークも進んだので特に営業の方が接していきたいご担当者の方には、なかなかつながりにくい状態。つながったところでほとんどが冷たい対応だと思います。
はい…申し訳ございません…私もテレアポを受けるとほとんどお断りさせていただいています。
精神的に参りますよね?飛び込み営業はそれ以上でした。特に税理士事務所の多くは「自宅兼事務所」が多く、BtoBではあるのですが実質的には「家庭訪問」です。
想像に難しくないと思いますが、断られるだけでなく精神的にキツかったです(汗)
ですがあるとき、先輩営業の方に教わりました。
「飛び込み営業先にも必ずお礼の手書きした手紙を出しなさい」
私も当時はまだまだ若く、生意気な一面もありほとんどのアドバイスを聞き流していましたが、この「手紙」だけは何故か自然と受け入れ退職するまで続けていました。
退職のお礼回りであった実話
数年働いたその会社を退職することになり、担当させていただいた様々なお客様先に挨拶回りさせていただきました。
その中で今も印象に残っているシーンがあります。
「この手紙覚えている?ちゃんと取ってあるよ。」
そういっていつか私が下手なりに一生懸命書いた「お礼の手紙」を見せていただきました。感動の涙…は無かったですが、今もこのように覚えている通りやはり嬉しかったです。
同じような体験が数件あり、先輩から受け継いだいわゆる「ルート営業先」だけでなく、私自身が「飛び込み」で開拓したお客様先でも同じことがありました。
その時、かつて先輩営業に教わった「手書きの手紙」の重要性を痛感しました。
今も続けるルーティン
それから私はまだまだ黎明期と言われたWEBの業界に入り、営業ではなくデザイナーとして仕事をするようになりました。
アナログだった仕事内容は一転してデジタルに。インターネットも一気に発達する中、手書きの手紙は書かないようになりました。
それでも私の中で当時教わった「飛び込み先にもお礼の手紙を書きなさい」は今も胸に残っています。
デザイナーからキャリアチェンジを繰り返し、今では自社の広報マーケティングを長く担当し、直接お客様とはコミュニケーションを取る機会も激減しました。
ですが数少ないお客様との交流の機会があれば、その日のうちに「お礼メール」を送ることを心掛けています。
というより、私が書くより営業担当が書いて、営業が感謝される方がチームとしては良いに決まっているので、営業担当に「お礼メール」を出すように伝えています。
立場が変わって分かったこと
広報マーケティングのご担当者様は分かると思いますが、この仕事は「営業を受ける側」でもあります。
私もこれまで多くの業界の営業の方にご提案をしていただいています。
「提案は良かったです」
この言葉を頂いた営業の方は多いのではないでしょうか?私もよく使います。その時は他社様を選定したとしても、また異なる機会でご縁がある可能性もあるので、このセリフが「当たり障り」ないのですよ…。
ですが多くの会社様に提案を受けるので、ほとんどの営業担当者のことは覚えていません。ですが「トークスクリプト通り、マニュアル通り」のご対応ではなく、「人間味」のあるご対応や、触れ合いがあった方のことは記憶に残っています。
リモートワークも浸透した今、正直紙の資料などを頂いても処理に困ることの方が多いので、相手のことを考えても「アナログな手紙」はケースバイケースにした方が良いかもしれません。ですが「お礼メール」は必ず「見込みが薄い」と感じた訪問先にも必ず送ることをオススメしたいです。
今回はご縁がなくても、また異なる機会で関わる可能性はあります。
新人営業の方必見とタイトルに書かせていただきましたが、これは全営業の方必須だと思います。ぜひ簡単に始められることだと思いますので、当コラムを読んで頂いた「今日この時」から取り入れてみられてはいかがでしょうか?