SDGsとは
2015年に国連総会で採決された17の目標のことで、目的としては2030年までに良い社会を世界中のすべての国で目指していこうといったコンセプトです。
17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革命の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任・つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
もちろん国家レベルで取り組まないと、一個人、一企業ではどうしようもない項目も少なくありません。
ただ大事なことは「自社だけ儲かれば社会なんてどうでもよい」という姿勢ではなく、個々が「持続可能なより良い世界」を実現するために、ラグビーで有名な「One for all All for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」の精神をもって活動していくことです。
大企業に比べ進まない中小企業の取り組み
帝国データバンクの「SDGs に関する企業の意識調査(2022 年)」によると、積極的に取り組んでいる企業は、大企業だと68.6%に対し、中小企業では48.9%となっています。
しかし中小企業ももちろん認知はしていて、独立行政法人 中小企業基盤整備機構の「中小企業の SDGs 推進に関する実態調査(2023 年)」によると約9割が認識・理解していると回答しています。
一方で28.9%の企業が「今後も取り組む予定はない」と回答。
ここには「SDGsをやっても売り上げはあがらない」「ウチみたいな小さな会社に関係ない」「大企業はイメージ戦略に予算を回せる余裕がある」などの本音があるのではないでしょうか?
ミレニアル世代・Z世代の社会進出
よく聞く言葉ですが、ミレニアル世代は1981年~1990年代半ばと定義されています。
年齢にすると20代後半から40代前半。平均的には30歳代と言えるでしょう。
Z世代は1990年代後半から2012年頃までとされます。年齢では10代前半から20代後半。まさに現在の新卒生の方がZ世代「ド真ん中」と言えます。
このように見ると「最近の若者」と一言で言えないことが分かりますよね。
もう企業の中核メンバーに新しい価値観を持った方が、どこの企業でも多数活躍されているわけです。
余談を言えば、ミレニアル世代より少し上の私世代も、バブル崩壊後の世代。
「よい大学を出て、よい会社に入れば一生安泰」は私たち世代すら持っていません。社会を構成する多くの世代が実は新しい価値観の中で生きていると言えます。
企業の成長には人材が不可欠
企業が成長するためには人材が不可欠なのは言うまでもありません。
企業というより組織全てに当てはまりますよね。
よいサービスを作っていく製造や企画部門、サービスを売る営業部門、モチベーション高く会社で働く環境を作っていく管理部門。すべての部門にスペシャリストがいて、全ての部門が花形で「大切な人材」です。
実際、私たちのようなクリエイティブ企業では、どうしても「ノウハウ」は個に付いていきます。つまり人材が流出するということはノウハウまで失ってしまうことに繋がります。
当たり前のことを書きましたが、企業の成長には人材は不可欠なのです。
若い世代は何を基準に企業選ぶか
こちらはウォンテッドリー株式会社の、「就職活動と長期インターンシップ」についての調査結果です。
給与水準よりも、その企業のパーパスを重視している方が多いのは興味深いデータです。
ちなみにパーパスとは「企業が社会に存在している意義」のような意味なのですが、パーパスについて関連コラムも出しておりますので是非こちらもご覧いただけると幸いです。
企業の存在する意義となれば、SDGsを切り離すことは不可能です。
つまり人手不足に悩む中小企業こそ、パーパスを重視する必要がありますし、それはそなわちSDGsについて出来ることから取り組む必要があります。
SDGsへ取り組むことは企業成長につながります
SDGsに力を入れても、もちろん目先の売り上げにはつながりません。
しかし先ほども触れたとおり、企業成長にかかせない人材の確保に少なからず影響を与えます。若い方は「大企業」を選んでいるのではなく、そういった取り組みを行っている企業に好感を覚え、中小企業より大企業を選んでいるとも言えます。
- 冷暖房の温度調整や節水
- 地方企業であれば地方の学生を優先的に採用
- テレワークなどの制度を整え、女性が長く働きやすい環境作り
- ITツールを導入し会議などでのペーパレスを進める
- ダイバーシティへの取り組み
費用を投入しなくても、中小企業でも出来そうな取り組みがたくさんあります。
むしろ上記に挙げたものでいえば、温度調整、ペーパレスなど経費削減につながるものも少なからずあります。
ダイバーシティも大きくとらえず、テレワークなど柔軟に取り組めば今の時代、どこに住んでいてもあるいは障がいなどがあっても、その方の能力を最大限に生かせることはできます。
優秀な人材と巡り合う機会が増えるとポジティブに捉えていただけるのではないでしょうか?
まとめ
SDGsは国家レベルの話だけではなく、また一部の大企業など限定のものではありません。私たち一人一人が出来ることをコツコツ行うこと。買い物でマイバックを使うこともいつの間にか日常になりましたよね。
中小企業はどうしても大企業に比べ、人材不足に悩む傾向が高いですが、それは今の求職者にとって魅力的に映っていないというのが本質ではないでしょうか。
「聞いたことのない会社だけど、素敵な取り組みをしている、こんな会社で働きたい」あるいは「この会社の商品を買いたい」と思えるような取り組みを一つづつ背伸びせず、等身大で取り組み、それをWEBサイトを使って積極的に発信してみてはいかがでしょうか?