人間拡張とは
昨今のAIや、メタバースなどと並列のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、まず「人間拡張」というのは、国立研究開発法人産業技術総合研究所 人間拡張研究センターの言葉を引用させていただくと次のように定義されています。
英語の「Human Augmentation」の日本語訳に相当します。
続いて次のようにも記載されています。
つまり国立研究開発法人産業技術総合研究所 人間拡張研究センターでの研究対象ではないものの、私も使用している眼鏡であったり、コンタクトレンズを利用されている方も多いでしょう。
補聴器や、義足などを使っておられる方もいるかもしれません。私自身、大怪我で入院し手術経験ありますが、その際装着した人工呼吸器。
こういったものも「人間拡張」の一種になります。
拡張させる人間の機能は4つ
同じく国立研究開発法人産業技術総合研究所 人間拡張研究センターによると、拡張させる人間の機能は下記4つに分類されるそうです。
- 身体
- 感覚
- 認知
- コミュニケーション
先の眼鏡や各医療関連機器は1つ目の身体ですよね。冒頭で紹介した、綾瀬はるかさんが、ピアニスト角野隼斗さんとシンクロする技術は、腕に装着した器具が、他者のスキルを共有するというものなので、身体の拡張の一種とみてよいでしょう。
彦摩呂さんと共演されている「味覚の共有」は感覚の拡張といえるでしょうか。
人間拡張の課題
ここまで紹介した例以外でも、介護現場などですでに導入されているパワーアシスト関係のツールもあり、人間拡張関連ツールは今後も発展が望まれる分野です。
一方で人体の機能そのものに関わる開発には、倫理面での課題もワンセット。SFアニメのような世界感でなくても、現実すでに起きている議論の1つとして、パラアスリートの記録などがあります。
代表的なものとして走り幅跳びのパラアスリートである、ドイツのマルクス・レーム選手の例などがあります。
パラアスリートのジャンルで世界記録を持ち、オリンピックでもメダルを獲得できるのではと期待される実力者ですが、一方で踏み込む義足がむしろ健常者の足より有利に働いている可能性があるのでは、ということでオリンピック出場は未だに叶ってはいません。
一方、人間が作業するには危険な場所には、ロボットなどが分身として「人間の代わり」に動いたり、さらなる医療技術の発展など私たちにとって、大きく役立ちそうなことも多数あり技術の発展に期待がかかります。
私はシンプルに、冒頭で触れた綾瀬はるかさんのCMには、ワクワクする未来を感じました。いつも新しいテクノロジーが誕生する際は、様々な議論が起こるのは必須。
古くから存在する「人間拡張」ですが、その発展に皆様も注目してみませんか?