AIDCASとは
AIDCASですが「アイドカス」と読みます。冒頭に触れたように、昔から使われる「AIDMA(アイドマ)」や、SNS時代に即した購買フローとしてこちらも長く使われている「AISAS(アイサス)」と同様に、消費者の購買フローを定義したものになります。
以下の頭文字をとって、そのように呼ばれています。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Desire:欲求
- Conviction:確信
- Action:購入
- Satisfaction:満足
「待って、そもそもAIDMAもよく分かってないよ…」と言う方、ご安心ください。それも併せてこれから説明します。
いまさら聞けないAIDMA
ではAIDCASを説明する前に、AIDMAや、AISASと何が異なるのか、何が追加(変更)されてきたのかを見た方が分かりやすと思うので、改めてAIDMAの説明を簡単にします。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Desire:欲求
- Memory:記憶
- Action:購入
AIDMAは上記のように、頭文字をとって呼ばれています。それぞれ簡単に説明すると、まず「存在を知ってもらう」、次に「自社やサービスに興味を持ってもらう」、そして「欲しいと思ってもらい」、「即決しないサービスであれば忘れられないように活動し」、最後「購入して頂ける」というものになります。
AIDMAは古いのか
よく「もうAIDMAの時代ではない」という意見も見かけますが、私はそうは思いません。この後説明する「AISAS」にはSNSでの共有といったフローが追加されますが、そもそもSNSで情報を発信している方は少数派です(SNSの企業アカウントを成功させるコツ内でデータを提示していますのでご参考にしてください)。
ましてBtoBの場合、例えば弊社のようなWEBサイトの制作を行う会社が、「ネクストソリューションズにWEBサイトをリニューアルしてもらってよかった!皆様もリニューアルの際はぜひネクストソリューションズに!」なんてコメント頂ける可能性があるでしょうか?
SNSを普段から使いこなしている方であれば、こんな書き込みあればステマか何かを疑いますし、なんか胡散臭いですよね(笑)。
つまり何が言いたいかと言えば、口コミは確かに存在しますが、BtoBの分野ではAIDMAが現実的だということです。
どの会社も、興味を持っていただくために「セミナー」等を行い、忘れられないために「メルマガ」などを送り、その結果ご縁があれば購入して頂けるというのが大きな流れではないでしょうか?
テレアポや飛び込みなどの、「ガツガツ系営業」でも基本は同じですよね?忘れられないために、「ある一定の期間を空けて電話」がテレアポ、テレマの基本になりますよね。
AISASについて
では次に「AISAS」についても簡単に解説します。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Search:検索
- Action:購入
- Share:共有
AIDMA、AIDCASと最初の2つは変わりません。結局「知ってもらわないと」何も始まりません。
よく「良い商品であれば、営業なんかしなくても売れる」なんて言う方もいますが、それは「ナショナルクライアントなどの強者」の意見と思います。
日本国内には約350万以上の会社があるとされます(総務省・令和3年「我が国の事業所・企業の経済活動の状況」を参照)。
これだけの数があれば、黙っていてもコツコツ良いものを作れば、いつかきっと陽の目を浴びる…なんてことはよほどの偶然が無い限りはありえないでしょう。
ですのでマス広告が出来る体力(費用)がある企業は、大々的にタレントなどを使いTVなどのCMを打ちますし、それが出来ない多くの会社も、弊社のようにセミナーやコラムなどでコツコツと認知拡大を行ったり、独自サービスがある会社であれば展示会に出展したり、コツコツとテレアポや飛び込み営業で「認知拡大」を行います。
少し話が横に逸れたので、戻しますがAISASの特徴は、認知されたあと「どんな会社かサービスか等を検索し」、その結果「購入に至り」、さらにその後「SNSなどで共有する」というものになります。
AISASの派生形AISCEAS
ちなみにAISASに近い考えでAISEAS(アイシーズ)というものもあるので、こちらも紹介しておきます。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Search:検索
- Comparison:比較
- Examination:検討
- Action:購入
- Share:共有
AISASの「検索」、「購入」の間に、「検索して比較する」、そして「検討した結果、購入に至る」というフローが追加されています。
コモディティ化(差別化が難しい)が進み、オンリーワンのサービスが無い現在、BtoBであれば特に即決はほぼありえないですし、AISEASの「比較・検討」フローが追加されているのは現実的かもしれませんね。
AIDCASは顧客満足が追加された考え方
ここまで、AIDMA、AISAS、AISEASと説明させていただいて、皆様もなんとなくイメージはついたと思います。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Desire:欲求
- Conviction:確信
- Action:購入
- Satisfaction:満足
改めて見ていただくと分かりやすいと思いますが、AIDMAの「認知してもらい欲しいと思ってもらう」までは同じです。
その後は「この会社、サービスで間違いない(不安が解消された)と確信に変わり」、その後で「購入して貰える」、購入いただけたあとは「満足していただき、リピーターやクロスセルなどに繋げる」といった「カスタマーサクセス」の要素が加わったものです。
言葉尻のようなところがあるので、「確信」は「比較検討の結果」ともいえるので、まぁここもAISEASとほぼ変わらないでしょう。
ですので、大きくAIDMA、AISAS、AISEASと違うのは、ラストの「顧客満足向上」が特徴となります。
サブスクリプション・リカーリング型以外でもカスタマーサクセスが重要な理由
カスタマーサクセス部門のようなものが組織体制として作られているのは、多くはサブスクリプションやリカーリングといった継続タイプのサービスを持っている会社でしょう。ですが、ネクストソリューションズのような継続タイプのビジネスではない、いわば「売り切りタイプ」のビジネスモデルの会社でも、カスタマーサクセス部門を作る、作らないの話ではなく考え方は重要です。
むしろカスタマーサクセス部と呼びながら、実態は単なる「既存顧客対象の営業部門」に留まっているケースも少なくはないと思います。
ネクストソリューションズであれば、WEBサイトをリニューアルいただけば、次回ご縁があるのは早くて4~5年でしょう。中にはGoogleアナリティクス等を活用したマーケティング支援や、CMSなどのサポートを含めた「保守サービス」で継続的にご契約を頂けるお客様もいらっしゃいますが、多くはリニューアルが終わり、一定時期がおわれば自然と交流が薄くなっていく方が大多数でしょう。
ですが、弊社からこのようなコラムや、セミナーも常に「セールス色」を全面に出したものばかりでなく、シンプルに「ノウハウ提供」を行うようなコンテンツを発信し続ければ、緩くでも関係性を継続させることができ、次のリニューアルのタイミングや、新たな課題が生まれた時に、ご用命いただける可能性が高まるでしょう。
BtoCでもLINEなどを活用したクーポンや、コンビニエンスストアであればレシートにクーポンをつけて、また利用を促すなどの施策を行っていますよね。各社、サービスによって「リピート頂ける期間」はかなり差があるでしょう。これを強引に短縮化させるだけであれば、先に触れた「カスタマーサクセスと呼んでいるだけの既存顧客対象の営業部門」にしか過ぎないでしょう。有意義な情報(内容は業種業界によって全く異なりますが)を発信し続け、「自社のファンになっていただく」活動を少しずつでも取り入れていってみてはいかがでしょうか。
自社サイトも単にサービス内容や、社長のメッセージ、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)などを並べるだけでなく、カスタマーサクセスといった視点でも活用してみてはいかがでしょうか。