2023年は生成AIに始まり、生成に終わった1年
こちらはGoogleトレンドでの「ChatGPT」というキーワードが、2023年の1年間、どれだけ検索されていたかを示すグラフです。
春先をピークに、夏以降は下がり、落ち着き始めていますが依然、1年前と比較しても注目されていることは分かります。
皆様はChatGPTをどのように使用されていますか?
私は実務では全く使っていません(抗っているわけでなく、現状では必要性を感じないため)。使う使わないは、それぞれの個人次第だと思いますので「めっちゃ使えるよ!」という方は、どんどん利用いただき、「同じく必要性を感じない…」という方は別に無理して使う必要はない。
というのが一環した私の考え方です。
毎年「バズる」対象は変わる
では1年前を振り返ってみようと思います。
こちらは2022年1月から2023年12月までの、「デジタルトランスフォーメーション(黄色の線)」、「メタバース(赤色の線)」、「ChatGPT(青色の線)」、それぞれのワードが、どれぐらい検索されいるのかをGoogleトレンドで調査したものになります。
ちなみにデジタルトランスフォーメーションは、他の意味も含まれてしまうため敢えて「DX」にはしていません。
1年前はメタバースが流行語大賞にノミネートされるなど、注目をされていましたが徐々に、検索上は注目されなくなっていることが分かります。
(メタバースはもう古いと言いたいわけではありません。)
以前「一世風靡したインターネットサービス」をコラムで紹介していますが、本当にWEB・IT分野の流行り廃りの周期は早いです。
まだ当面、「ChatGPTブーム」は続くと予測していますが、果たして1年後、2024年12月末も引き続き、今のように注目されているかと言えば疑問です。
実際、ChatGPTは素晴らしいテクノロジーですが、過剰に評価されているとも感じますし、「バズっている」今だからこそ「この機に乗って、関連サービスや書籍などを売ろう」という「下心」も透けて見えてきます。
1年前はメタバースで、オンライン展示会や、バーチャルオフィスなどに注目が集まっていたはずですが、それらが話題に上ることも少なくなりました。
断言できることとして、毎年新しいテクノロジー(看板だけ変えたようなものもありますが)が生まれていきますので、「ChatGPTだけは未来永劫、人々の注目を集める」なんてことは思わない方が良いと思います。
「生成AI」というテクノロジーそのものは、どんどん精度を上げていくと確信できますが。
結局時代を越えていくのは「コンテンツ」
かつて2010年前後あたりまでは、日本で最も利用されていたSNSはMixiでした。今ではX(旧Twitter)や、Tiktok、Instagram、Facebookほか、様々なものがでてきていますよね。
しかし冷静に考えてみてください。皆様はどのSNSを利用されていますか?その理由は新旧でしょうか?
「新しいSNSをマスターしなければ!」という考え方は、インフルエンサー。つまり情報発信していく側でしょう。
私も多少はフォロワーを持っていますので、現状Xに比重が乗りすぎているので、YouTubeなどを再開させようか…など考えたりすることがあります。
ですが、そうではなく、シンプルにSNSで情報収集や、あるいはネット上の「仲間」とコミュニケーションを取るために利用されている方はいかがでしょうか?
最新のSNSを利用したい…という気持ちより、「仲の良い仲間がいるSNS」「自分にとって有益な情報が得られるSNS」を利用しませんか?
つまり何が言いたいのかと言えば、一般の利用者は「最新のテクノロジー」を求めているのではなく「楽しい、面白い体験」です。
そのために必要なものは「中身=コンテンツ」だということです。
私はすっかりMixiにログインすることもなくなりましたが、理由は「古い」からではありません。当時の「マイミク」達がみんないなくなってしまったので、「独りぼっち」で日記を書いても楽しくないからです。
逆に言えば、今もMixiに楽しい仲間たちが残っていれば、私は定期的に「日記」を更新しています。
最新のテクノロジーを手に入れても、コンテンツが乏しければ意味がない
2024年の今頃(12月末)にはきっと「そういやChatGPTって流行っていたね」と言っていると思います。間違いなく他のテクノロジー、製品、サービスが注目を集めているはずです。
なぜならばITベンダーだって、常に最新のサービスを掲げていかなと「売れない」のが現状です。いつまでも何かの1つ覚えのように「ChatGPT、ChatGPT」とは言っていては「商売にならない」のが現実です。
では、来年はまた「流行っているサービス」に振り回され、そのサービスに投資しますか?
メタバースだって同じです。プラットフォームで言えばセカンドライフでも、XANAでも良いのですが、要はそれを利用するか否かは「そこに楽しいコンテンツがあるかないか」ですよね。
もし、その空間にリアルな企業がずらっと並び、展示会のようにブースが用意され、単に企業の営業を受けるだけの空間ならば、恐らく利用者は相当数限られるでしょう。
動画も同じですよね?私はYouTubeは有料のYouTube Premiumを利用しています。趣味のランニングの情報や、料理レシピチャンネルなどが充実しているので、ほぼ他の動画サービスを利用せず、Youtube1本です。
ですが、舞台や映画をもっと見たい。となり、それに時間を割くのであれば、きっと他のサービスを利用していることでしょう。
要は私にとって、有益で楽しい動画は現状Youtubeに集中しているので、Youtubeにはお金を支払う意義を感じていますが、もしそれらが他の動画プラットフォームに移行すれば、私も一緒に「お引越し」をします。
先ほども触れましたが、毎年現れる新しいテクノロジーに振り回されず、皆様が顧客を引き付けるために大切なのはたった1つ。
「皆様が発信主となって、有益で楽しいコンテンツを提供し続けること」です。
コンテンツのないテクノロジーには人は集まらない
ずっと展開してきた通り、とにかく「コンテンツ」を充実させないと、ユーザーはついてこないですし、ユーザーがこない「テクノロジー」からは「儲け」は生まれません。
これはリアルだってそうですよね。例えば大型展示会に出展しても、自社のサービスに魅力がなければ売れるはずがありません。
またブース設計も拘りのないものであれば、人目につくことも難しいでしょう。
結局中身が一番大切なのです。「メタバースはあまり儲からない」なんてこともよく聞きますが当たり前です。
メタバースは打ち出の小槌でもなんでもありません。そこで人目につく、仮想世界の人々にウケるコンテンツがなければヒットなんてありえないわけです。
ですが少なくない方が単に「メタバースという所に出店すれば儲かる」と妄信的に信じてしまい、コンテンツを二の次にしてしまっているケースを見かけます。
順番が逆なのです。コンテンツが最初にあって、それをどこで発信(お披露目)するのか。なのです。そして例のAIは、有益なコンテンツを創る上で手助けになるなら活用すれば良いし、そうでないなら無理に使う必要もないと言っているだけです。
最新のテクノロジーや、インフルエンサーの発信する情報に振り回されないために、まずはドッシリと構えて、自社のコンテンツを2024年は見直してみませんか?