ビジネス用語にCXは2つある
そもそもビジネス用語にCXは2つあります。
1つは「Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)」で、日本語ではよく顧客体験や顧客経験価値と訳されています。
これは顧客に、商品(サービス)力飲みに満足いただくのではなく、初期の営業や、広告、購入後の顧客フォロー、最近だとカスタマーサクセス等と称されることも多いですが、これら全ての部分で、顧客に「この会社と接点を持つのが心地よい」と感じてもらい、ロイヤルカスタマーに育てていくという考え方のものになります。
そしてもう1つは、「Corporate Transformation(コーポレート・トランスフォーメーション)」です。
こちらは、DXのXと同様。変革するという意味合いになりますが、企業そのものの変革といった意味合いになります。
今回このコラムで紹介するCXは後者の、「Corporate Transformation(コーポレート・トランスフォーメーション)」です。
DXとCXは背中合わせ
何度かネクストソリューションズのコラムでも指摘していますが、世間で言われている「DX」はかなりの数で、ITベンダーの「営業トーク」として使用されているだけで、本質的なDXではないケースが少なくありません。
「本来のDXとは」も参照いただければ幸いですが、経済産業省の定義の中にも「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」と「企業文化・風土を変革」と明記されているわけです。
単に紙のやりとりをPDFにするだとか、流行りのchatGPTを使ってみること。WEBサイトのリニューアルや、それにCMSやMAなどを導入することなどは、それら自体には意義のあることですが、本来のDXではありません。
WEBサイトを例にしますが、WEBサイトをリニューアルしたところで、会社は変わりませんよね?
DXを掲げるのであれば、会社そのものを変革する計画、動きが必須なのです。
本質的なDXは現場マターではない
そしてDXとは本来、現場の方が取り組むようなものではないわけです。
ボトムアップでDXは産まれないとは言いませんが、本質的なDXは、例えば営業部をなくしてしまおうと言った、大きな流れに直結します。
これは何を意味するかと言えば、役職を持っている方も、営業部長や営業課長ではいれなくなる可能性もあるという意味です。
会社全体のことを考えた際、会社のために自分の給与や立場など、それらを投げ捨てて、会社のために尽くそう。こんな方は実際は少数派でしょう。自分の会社であれば別ですが。
つまりDXとは本来、会社そのものを運営する方が先導を取って進めていくものだと考えます。
まとめ
今回は「カスタマーエクスペリエンス」ではなく、「コーポレート・トランスフォーメーション」としてのCXを取り上げさせていただきました。
以前のコラムでも指摘していますが、単にChatGPTをはじめITツールを導入するだけで終わることは、それで問題が解決されるのであれば、何も間違えてはいません。単に、それはDXとは呼びませんよというだけの話です。
ですがもし遠くない将来、自社のビジネスが頭打ちになりそうだという予測があるならば、デジタルを使って…という限定的な目線ではなく、今回取り上げたCXという視点で会社の変革に取り組む必要がでてくるのではないでしょうか?