メタバースとは
まずこの「メタバース」という単語、「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語らしいです。世代の方は分かって頂けそうですが、なんだかアニメのドラゴンボールか。聖闘士星矢のような世界観ですね(笑)。
主な意味として「単なる仮想空間」を作ることではなく、そこで様々な人と交流することに重点を置いているということで、つまり「仮想の空間(バーチャル空間)で色々な人たちと、ビジネスを含め様々な交流が行われる、仮想なんだけど現実社会」と言ったところでしょうか。
そしてこのメタバースという名称、いつごろから使用されているのかと言えば、Googleトレンドで調べてみると、2021年あたりになって注目をされだし、2022年初めがピーク。
2023年12月現在は、一旦ピークを割って落ち着いている感じが伺えます。
メタバースと混合される3つの言葉(技術)
メタバースは「仮想空間(バーチャル)」が舞台であることは事実なので、そこで次の3つの言葉(技術)メタバースだと混合されがちです。
それぞれを簡単に説明していきたいと思います。
- VR(Virtual Reality)
- AR(Augmented Reality)
- MR(Mixed Realit)
VR(Virtual Reality):バーチャル リアリティ
バーチャルのリアル、そのままですが「仮想現実」です。
ゲーム機などではすでにお馴染みになってきましたが、専用のゴーグルなどを装着すると、映像の中に自分が入り込んだような錯覚を味わえるといった仕組みです。
AR(Augmented Reality):オーグメント リアリティ
増加する、補完するといった意味合いのある「オーグメント」と現実。現実を拡張させるというニュアンスで「拡張現実」と訳されます。
先のVRは「無いものを作り出し、その中に人が入り込む」といったものですが、こちらARには今あるものに、バーチャルな世界を追加するといったものと言えばわかりやすいでしょうか。
これは一時期、社会現象にまでなったスマートフォンの位置情報ゲーム「ポケモンGO」でも、AR機能でリアルな世界に、ポケモンのキャラクターを映し出せたりしましたよね。
もちろん他のサービスもたくさんありますが、このように現実社会に、バーチャルの「無い」ものを追加、拡張する技術です。
MR(Mixed Reality):ミックスド・リアリティ
VRとARをミックスさせたもので、「複合現実」と訳されます。
ARはあくまでスマートフォンなどのデバイス内に、映し出したリアルな世界と、バーチャルなものを合体させるものでしたよね。ポケモンのキャラクターが、まるで家の中に現れる技術ですが、例えばピカチュウが見えるのはあくまでスマートフォン内でした。
これを実際の家の中に、映し出してしまおうというもの。もちろんピカチュウがリアルに降臨するなんてことはなく、ゴーグルを装着しそこから見える現実世界に、仮想世界を再現すると言えば伝わるでしょうか。要は、ゴーグルを介することで、リアルな世界に、本来存在しないバーチャルな「何か」を配置させることができるわけです。
メタバースは交流がカギ
では再びメタバースに話を戻しますが、まず前提として「メタバースとはこういうもの」という明確な、統一化された定義は現時点ではないとされています。
ただ、先に紹介したVRだと、バーチャルな世界を作ることは可能ですが、そこに距離の離れた他人を「召喚する」ことは現状出来ないわけです。
ARも同様ですね。つまり、先のポケモンGOはメタバースとは言えないでしょう。
確かに仮想の世界にアバターがいて、フレンド(ゲーム内の友人)とボスポケモンと戦うなど交流もありますが、構成されたストーリー上のゲームを進めているにすぎませんからね。
2000年代前半、IT業界に次世代のWEB。これこそが「WEB3.0」ではないかと語り合った「セカンドライフ」と呼ばれるサービスがありました(現存しています)。今ならXANAなども近しいコンセプトかもしれません。
こららのコンセプトが、本来のメタバースに近いのだと感じています。
キーになるのは「現実世界を仮想世界に置き換える」のではなく「仮想世界で現実とは全く異なる世界を築き、そこで多くの人たちと交流していく」ということなのではと考えています。
メタバースの時代は来るのか?
なんとなくメタバースというものをイメージしていただけたと思います。要はバーチャルな空間に、自分も仮想の姿に、つまりアバターとして配置し、そこで現実社会と同じような活動を行うもの。ということです。
ただ現状は、バーチャルオフィスや、オンライン展示会などだけがピックアップされ「現実社会の代用品」という側面だけがクローズアップされていると思います。
コロナでリモートワークになったので、社員をバーチャルオフィスに集めてみよう…
展示会が出来なくなったので、バーチャル空間にブースを再現してみよう…といった。
メタバースの定義が曖昧なので、それらをメタバースと呼ぶことに間違いはないですが、どちらかと言えば「単なるバーチャル空間」にしか過ぎないと思うんですよね。仮想世界ではなく、バーチャル…ようはCGで再現された展示会場や、オフィスにそのまま、いつもの現実社会を持ち込んでいるだけ。
それでは「仮想世界に作られた、仮想なんだけど現実におきている世界」とは言い難いと思います。ZOOMでチームMTGするのをやめて、バーチャルオフィスで会話するというように道具を変えただけじゃないかと。
本来のメタバースって、リアルとバーチャル、両方に異なる「自分」を存在させることが出来るということでないかと考えます。メタバースの世界では、私が若いころなってみたかった高校野球で活躍する選手にも、ミュージシャンにもなれる可能性がまだ残されているわけです。
ですが、今の使われ方って、リアルでもメタバースの世界でも、「いつもの自分が働いている会社で、同じ役割で、周りにいる人もいつも同じ」なわけですよね。
それって、メタバースが本来目指している世界観ではない気がしています。
メタバースは現実世界の代用でなく、もう1つの別の世界
セカンドライフにしても、XANAにしても、「普通の会社」気分で参入すると上手くいかないと思っています。
なぜか?メタバースって「仮想」なんですよ。前提が。存在していない「仮想」世界で「別のリアル」を作っていくというものなのに、そこに「実際の世界の秩序」を持ち込めば拒絶反応を受けるのは当然だと思っています。
メタバースの世界は、リアルとは違う全く別の世界で、そこには全く異なる秩序が存在している。それを作る。その本質を分かって挑んでいかないと、一過性のオンライン展示会場や、バーチャルオフィスのような限定的なサービスが、誕生しては消え…を繰り返していくだけだと思います。
私は仕事以外も、今リアルな世界でマラソンに取り組んだり、それらの情報を発信する等で時間が取れそうにないので、「もう1つの世界」を持とうというモチベーションはありませんが、リアルな世界ではなく「仮想だけど、そこにもう1つ別の現実世界」を作ってみたい。
そんな方は、黎明期と言える今だからこそ面白いと思うので、ぜひ積極的にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
その世界ではこれを読んで頂いているアナタが、メタバースで仕事をする際には、社長かもしれませんよ。