「チーズはどこへ消えた」とは
Z世代の方などはご存知ない可能性もあるので改めて。1998年にアメリカのスペンサー・ジョンソン氏が出した100ページにも満たない、1冊の本です。
内容としては、小人とネズミが、食料を探し大量の「チーズ」を見つけ、そこで幸せな暮らしが始まります。
しかしチーズがある日無くなってしまいます。無くなったことを知ったネズミは、その場所を離れ新しい食料をまた探しにでます。
残された2人の小人は当初、なぜチーズが無くなってしまったのか等、分析などを開始し、その場所を離れることはしませんでした。
しかし1人は、もうそこに留まっていても、もう「チーズ」は戻ってこないことに気づき、ネズミたちと同様に新しい旅に出かけ、そこで新しい「チーズ」に出会うというストーリーです。
なぜビジネスに結びつくのか
例えばWEB・IT分野で言えば2023年の「AIブーム」。
これに乗って、少なくない会社が単に「ChatGPT」を載せただけの、そして競合他社もリリースしている商品を多く世に放ちました。
まだしばらくは需要はあるでしょう。ですが、それは永遠か?と言えば、そんなはずはありません。
日本には古くからの「格言」があり、こんな言葉があります。それは「諸行無常」。
形あるものは、いつか必ず無くなるというもの。私は2002年頃からWEBの世界で仕事をさせて頂いていますが、この20年ほどの間、どれだけの「ヒット作」が生まれ、消えていったか名前を挙げだせばキリがありません。
いえ、ヒットしてそのまま、今も尚現役でトップに君臨しているものなんて1つもないです。SNSの分野で日本国内では圧倒的なシェアを誇ったmixiだってそうです。
このAIブームも近い将来、「そういやそんなこともあったよね」なんて言っていることだと思います。
これって、まさに「チーズ」の山だと思いませんか?
変化をいち早く受け入れよう
日本にはどこか「ずっと同じ場所」に留まることを美徳にする文化がありますよね?
例えば転職。少ない人の方が転職市場では評価をされ、多い人はそうでないという評価を、相対的には受けますよね。
ですが実際そうでしょうか?「もうここに残っても、チーズがない」と悟ったなら、新しい「チーズ」を探しにいく方が賢明かもしれません。もちろん、未来なんて誰にも分からないので、どれが正しかったかなんて、きっと人生の最期にならないと判断できないのでしょうが…。
ビジネスも同様です。「まだAIというチーズはたっぷりある!暫くここに残るんだ!」という判断もあるでしょう。しかし一方で、そろそろAI分野も「強者」が生まれてくるでしょう。大きな資本を持った企業が、大元と手を組めば、その他のWEB制作会社が、ChatGPTを載せただけの「AI関連サービス」がいつまでもありがたみを持たれるとは、私には疑問です。
それであれば、この「AIというチーズ」にすがらず、別の「チーズ」を探しにいく方が賢明なような気もします。
失ったものを数えるな
パラリンピックの父と言われるドイツのルートヴィヒ・グットマン博士が言った、有名な言葉に「失ったものを数えるな、残されたものを最大限生かせ」というものがあります。
一度手にしたものを忘れられない。それは人間であれば当然の心理だと思います。しかし、失ったものはもう2度と戻ってはこないのです。そんなことは映画の世界だけでしょう。
別に諦めて、小さくまとまろうと言った話ではないのです。
「残されたもの」とは、それを大事に胸に抱き、細々と生きていけという意味ではありません。だって、障がいを持った方に再度、戦いの舞台へと誘う言葉ですよ?
まさに当コラムのタイトル、「チーズはどこへ消えたから学ぼう」に繋がる言葉だと思いませんか?
過去の栄光にしがみついていても仕方がありません。成功という「チーズ」は失っても、自身まで失ったわけではありませんよね。また新しい「チーズ」を探しにいけば良いだけです。
チーズはどこにあるか分からない
私も2024年、弊社の知名度を飛躍的に向上させたいと思っています。その一環で今開催しているウェビナーですが、2023年7月から本格的に開始し、当時に比べて随分と参加者の方も増えるようになってきました。
ですが、このやり方は2020年当時、コロナ禍真っ只中の頃に所属していた会社で、手探りで作り上げたノウハウがベースです。
とりあえずその方法で、半年間でなんとか「形になりそうな」状態までは作ってこれたと自負していますが、一方でこの方法だけでは限界もあるなと感じています。
ある意味、私自身も「チーズ」にすがっている状態です。ですから、私はこの「チーズのあった場所」を離れなければと考えています。
具体的には新しい企画、過去には行ってこなかった企画。まだ世間的には「バズっていない」サービスを行っておられる会社様とも積極的にコラボレーションさせていただき、いち早く、まだ「見つかっていないチーズ」を探したいと思います。
皆様も、「新しいチーズ」を探しにいきませんか?